抄録
たか菜漬ならびにたか菜漬より分離したフェオホーバイドaの給与によって起こる白ネズミの光過敏症の機構を明らかにするため, 赤血球に対する光力学的作用をin vivo, in vitroの条件で検討した。
1) 白ネズミに10%たか菜漬添加飼料を2日間給与したのち, 照度2万luxの可視光線下で飼育すると3時間~5時間30分で死亡した。
2) 5%たか菜漬添加飼料を給与し, 1日5時間光照射し, 2日間飼育した白ネズミでは血液中の赤血球数の減少, ヘマトクリット値の著明な低下が観察された。
3) たか菜漬より分離したフェオホーバイドaを0.125μg/ml~0.5μg/mlの濃度になるように赤血球遊液に加えた場合, 暗所においては, 溶血を示さないが, 可視光線の照射できわめて強い溶血を示した。あらかじめ光照射したフェオホーバイドaの赤血球に対する光力学的作用は低下した。