栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
モヤシの次亜塩素酸ナトリウム処理によるビタミンC含量の変化
山田 真里子平野 敬子吉田 勉
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1978 年 31 巻 3 号 p. 261-266

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抄録
モヤシを市販次亜塩素酸ナトリウム液 (アンチホルミン液) に浸漬した場合の, ビタミンC含量の変化を調べた。その結果, アンチホルミン液処理により, モヤシ中の総ビタミンCは, 未処理とくらべ実験室処理では85% (5~120分浸漬の平均), 工場処理では76%に減少した。この減少のおもな原因は, 浸漬液中へのビタミンCの溶出と考えられる。また, 工場処理では, 水洗中にモヤシの機械的攪拌が行なわれるために, 実験室処理にくらべその溶出量も多くなったと思われる。
1/500アンチホルミン液は, モヤシ中のビタミンCに対して酸化剤として作用し, モヤシ中の還元型ビタミンCを酸化型ビタミンCに変化させるが, この液のもつ高いpHの影響によるビタミンCの分解はあまり起こらないと推察された。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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