栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
高脂肪食投与時の肝脂質代謝について
カルニチンまたはパンテティンの添加効果
水沼 俊美高橋 因佐藤 文代岸野 泰雄奥田 拓道
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1979 年 32 巻 2 号 p. 89-92

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抄録
40%コーンオイルをふくむ高脂肪食投与時に発現する, 軽度肝障害の原因をしる目的で, カルニチンまたはパンテティンを添加し, そのときの, 肝総脂質, 過酸化脂質そしてS-GPTの動態を観察した。
1) カルニチンは, D型, L型ともに肝脂質に対して, 7週まで低下効果をもち, 過酸化脂質に対しては, 10週まで低下作用を示した。このとき, S-GPTは上昇が抑えられた。
2) パンテティンは, 10週まで肝脂質にたいして低下効果をもたないが, 過酸化脂質に対しては10週で低下作用を示した。このとき, S-GPTはその上昇が2/3に抑えられた。
3) 以上の成績より, 40%コーンオイルをふくむ高脂肪食10週投与時に観察されるS-GPTの上昇は, 脂肪の蓄積そのものよりも, 過酸化脂質の上昇がより関与しているのではないかと推測した。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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