栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
油脂の安定性試験に対する一考察
兼松 弘丸山 武紀新谷 勲
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 32 巻 3 号 p. 209-213

詳細
抄録

酸化防止剤無添加の豚脂, 牛脂, パーム油およびとうもろこし油を試料として, AOM試験によるPOVおよびCoVの変化およびAOM値と反応温度との関係などを調査, 検討した。
1) AOM試験中のPOVの変化は, 油脂の種類, 性状によって, その傾向が異なる場合があるので, POVのみでAOM値を求めると, 到達POV値によってはまったく逆の結果が得られることもある。
2) 100℃以下の反応温度では, AOM値は反応温度の指数関数として表わされる。しかしこの関係は油脂の種類, 性状によって多少異なるので, 反応温度が違うと異なる結果が示されることもある。
3) AOM試験によるCoVの変化は, 一般にPOVよりやや遅れて上昇し始めるがその変化はPOVと比較して非常に小さい。またAOM試験中では各油脂ともCoVはPOVとよい相関関係を示した。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事
feedback
Top