抄録
血清総たん白, アルブミンレベルに対する摂取たん白質の影響を検討した結果, つぎの点が明らかにされた。
(1) 各種たん白質で飼育したラットの血清総たん白, アルブミンレベルはカゼイン群で最も高く, ついでツェイン群, カゼイン水解物群, ゼラチン群の順番となり, たん白質の種類によって明らかな差異がみられた。
(2) 食餌中のたん白 (カゼイン) 含量を変えた場合には, 総たん白, アルブミンレベルともに無たん白食, 低たん白食では低いレベルを維持していたが, カゼイン含量の増加とともに上昇し, 25%含有食までほぼ直線的に上昇した。高たん白食でもその値は上昇していたが, 増加率においてやや劣る傾向を示した。
(3) 低たん白 (2%カゼイン) 食で飼育したラットの飼育日数による変化を調べたところ, 総たん白値では2%カゼイン食摂取7日目で最も著明な減少を示したが, さらに飼育日数を延長していった場合には逆に上昇していた。これに対してアルブミン値は14日目まで低下し, 21日目で上昇していた。