抄録
蚕の卵色突然変異 (赤卵) 系統を用いて, レダクトン類の突然変異誘起能と, MCとの併用投与による効果の検定を行なった。
1) TR注射では1頭 (体重1.2g) あたり50~100μgの投与で突然変異誘発頻度は4~6×10-4程度で最高値であり, 投与量を1, 000μgまで増しても頻度は高くならず, またCu2+共存下でも変化はみられない。
2) AsA, ScAともにTRと同様 10-4レベルの誘発頻度でCu2+によっても高くならない。
3) MCを注射した蛹にAsA, TR, ScAおのおのを続けて注射すると, 突然変異誘発頻度に変化はないが, 変異卵中の全体変異の比率が減少した。すなわち, TR, AsA, ScAの3種のレダクトンおのおのの卵色突然変異誘起能は非常に低く, むしろMCによる突然変異誘起をある程度抑制する可能性が認められた。