栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
生育期間の違いによるサトウキビの遊離アミノ酸の比較
新崎 輝子美野 典子
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1982 年 35 巻 5 号 p. 363-366

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抄録
1) 本実験に使用したサトウキビ (N: Co) の搾汁中の遊離アミノ酸は1年, 2年生育いずれも0.5%以下で, 量的には多くないが, 総窒素量の半ばを占める。
2) 搾汁中には16種の通常アミノ酸が存在するが, そのうち7種, アスパラギン酸, グルタミン酸とそれらのアミド, および, アラニン, セリン, バリンがずばぬけて多く存在した。
3) 搾汁中にはアスパラギンとグルタミンのアミド量が非常に多く, とくに若い時期に多い。1年ものではアスパラギンが圧倒的に多く, 遊離アミノ酸の約1/3を占めた。また2年ものに比べ, アスパラギンは3.1倍, グルタミンは2.3倍であった。
4) アスパラギン酸+アスパラギン, グルタミン酸+グルタミン量は, 1, 2年の生育時期による差違はみられなかった。これら4種の合計量は, 全アミノ酸の約60%を占める。
5) 酸加水分解によって若干のアミノ酸の増量が見られることから, 搾汁中に結合アミノ酸が存在するものと考えられる。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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