日本栄養・食糧学会誌
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子どもの摂取した食物についてのカルシウムとリンの実測値と計算値
岡崎 光子広川 いさ子姫野 誠一郎鈴木 継美
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1984 年 37 巻 5 号 p. 429-439

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抄録

1) 5人の子どもの2日間の食事と間食で摂取した食品, および料理を買い上げ, カルシウムとリンの定量分析を行なった。 同時に三訂補日本標準食品成分表 (市販食品成分表を一部利用) から100g中の, カルシウム, リン量を求め比較検討した。
2) 分析した試料は, 成分表に記載のあった試料65, 記載のなかった試料は98であった。
3) 成分表に記載されている食品や料理のカルシウムおよびリンは, ともに実測値と計算値の相関が高かった。したがって食材料の重量が正確に把握されるならば成分表記載有食品を多く使用した食事であっても, 計算によっても実測値に近い値を求めることができる。
4) 成分表に記載のない食品を頻回摂取した子どものの場合には, カルシウム, リンともに計算値と実測値間に差を生じた。
5) 成分表に記載のない食品や料理のカルシウム, リンを計算により求める場合には, 代替食品の選択が適切であったか否かにより, 結果は左右される。

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