日本栄養・食糧学会誌
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緑茶中の降圧活性物質の精製とその性状
伊村 祈年子山本 武明橋 八郎
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1984 年 37 巻 6 号 p. 541-546

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抄録
緑茶の熱水抽出画分における降圧活性成分を, さらに分離精製するとともに, その本体について性状の検討を行なった。
1) Sephadex G-100によるゲル濾過では, 260nm付近に吸収極大をもち, 230nm付近に吸収極小をもつC画分に降圧作用が認められた。
2) C画分のリボヌクレアーゼ, または, アルカリ処理後の透析内液では降圧活性が認められなかった。
3) DEAE セルロースカラムによる分画では, リボ核酸画分に降圧活性を認めた。
4) リボ核酸画分のアルカリ分解液を, Dowex 1カラムを用いて, モノヌクレオチドに分画して投与したところ, アデニル酸画分に降圧活性を認め, グアニル酸, ウリジル酸, シチジル酸画分には認められなかった。 アデニル酸画分は, 0.23mg/kg (体重) の投与で約28mmHg, 0.9mg/kg (体重) の投与で約42mmHgの降圧作用を示した。
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