日本栄養・食糧学会誌
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綿実およびひまわり種子の成熟過程における遊離型ならびにエステル型ステロールの組成変動について
梶本 五郎吉田 弘美芝原 章
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1985 年 38 巻 3 号 p. 185-189

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抄録

綿実およびひまわり種子の成熟過程における遊離ステロールおよびステロールエテスルのステロール組成の変動と, 綿実種子の各部位脂質中のステロール組成について検討した。
1) 種子の成熟に伴い種子重量, 脂質量は増加した。総脂質中での不けん化物の占める割合は, 未熟種子ほど高く, 綿実の10日目で10.2%, ひまわりの15日目で5.2%であった。
2) 種子脂質中のステロール量比は, 両種子とも未熟種子ほど高い。綿実種子の遊離ステロールおよびステロールエステルの割合は, 10日目で4, 085.2および542.6mg/100g脂質であったが, 成熟に伴い比は減少し, 70日目で316.0および34.0mg/100g脂質になった。また, 成熟全期を通じ種子脂質中ではSEよりFSのほうが占める割合が多く, 綿実でおよそ1: 7, ひまわりで1: 5であった。
3) 綿実の成熟に伴い種子脂質中の遊離ステロールおよびステロールエステルともカンペステロールの占める割合が減少し, シトステロールの割合が増加した。遊離ステロールとステロールエステルのステロール組成の比較では, 遊離ステロールに比ベステロールエステルでは, コレステロールおよびカンペステロールの占める割合が高く, 逆にシトステロールの占める割合が低い。本傾向は成熟全期を通じほとんど変化なかった。ひまわり種子も遊離ステロールよりもステロールエステルのほうにコレステロールの占める割合が高い。
4) 綿実種子の各部位脂質中のステロール組成は, 種皮脂質にコレステロールの占める割合が高く, また, 遊離ステロールよりもステロールエステルのほうにコレステロール比が高い。子葉および種皮脂質に比べ胚脂質部にカンベステロールの占める割合が高く, かつ, ステロールエステルのほうに多い。スチグマステロールは種皮部を除いて子葉, 胚脂質にはほとんど含まれていない。
5) GCでコレステロールと推定されたものは, GC-MSでコレステロールであることを確認した。

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