日本栄養・食糧学会誌
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植物ステロールおよびトリテルペンアルコール添加油のヒト血清コレステロール濃度への影響について
渡辺 早苗赤塚 淑代近藤 恵美子松村 義寛
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1987 年 40 巻 4 号 p. 263-270

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抄録
健康な被験者21名 (女: 19~22歳) を3群 (A, B, C) に分け, バターオィル1日50g (サンプル (1), (2), (3)) を投与した。実験期間は26日間で, バターオイル投与は連続5日間とし, 各群2回 (実験I期, 実験II期) 行った。サンプル (1) はコントロール添加なし, サンプル (2) は大豆ステロール486mg (β-シトステロールとして236mg) を添加, サソプル (3) は (2) +シクロアルテノール34mgを添加した。
A群は (1) → (2), B群は (3) → (1), C群は (2) → (3) で実験期間中, 体重, 血圧, 皮脂厚, 脈拍, 身体症状, 血液 (血糖, タソパク質, ヘモグロビン, β-リポタンパク質, 総コレステロール, HDL-コレステロール), 尿の性状, 糞便 (重量, 窒素, ステロール類縁物質, コレステロール代謝産物, 粗脂肪) について測定した。
その結果, 血清コレステロールは, どの群でも低下がみられたが, 糞便中のステロール類縁物質の排泄量が高値であったことから, シクロアルテノールの大豆ステロールに対するヒトでの相乗作用が示唆された。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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