抄録
1) VE無添加食を与えたラットの呼気中ペンタン量は, VE添加食を与えた場合より有意に高かった。
2) 抗生物質を与えて腸内細菌の作用を抑えても, 呼気中ペンタン量の減少は見られず, ペンタンは, 腸内細菌由来ではないことが示された。
3) セレン添加食を与えた場合, 無添加食を与えた場合より呼気中ペンタン量は低下する傾向が示された。
4) 過酸化脂質代謝関連酵素の活性は, VE添加食群よりVE無添加食群で低かった。また, セレン添加食群の活性は無添加食群の活性より高かった。
5) 血液中および臓器中のVE量, 臓器のTBA値, 呼気中ペンタン量の3項目間に有意な相関性が認められ, 呼気中ペンタン量は体内過酸化脂質量とVE量の指標となり得ることが示された。
6) ヒトの呼気中ペンタン量と血漿中VE量との間に有意な相関が認められた。