1) われわれは, 鉄吸収性の評価系として, 膵液と胆汁によるプレインキュベーションを利用した簡便で放射性鉄を用いない反転腸管法を確立した。
2) 本測定法を用いて, ヘモグロピンと, ヘモグロビン酵素分解物であるヘム鉄強化アミノ酸製剤 (HIP) の鉄吸収性を評価した。鉄分として4~5倍の強化に相当するタンパク質を除去しても, HIPの鉄吸収率は, ヘモグロビンとほぼ同等の鉄吸収率を保持していた。
3) 本測定法によるHIPの鉄吸収率は, フィチンによる阻害を受けなかった。このことはHIP中の鉄が, 他の食事成分の阻害を受けにくいことを示唆している。