日本栄養・食糧学会誌
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肉製品の脂肪酸, コレステロール, α-トコフェロールおよび2-チオバルビツール酸値
山内 清門田 利作村田 寿大橋 登美男芳賀 聖一中原 玲子
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1988 年 41 巻 6 号 p. 508-511

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抄録

市販肉製品 (ロースハム, LRH; ベーコン, BCN; プレスハム, PRH; チョップドハム, CPH; フランクフルトソーセージ, FFS; チルドハンバーグステーキ, CHS) の脂質性状を, 脂質, 脂肪酸, コレステロールおよびα-トコフェロールの含量ならびに2-チオバルビツール酸 (TBA) 値を通して調べた。
肉製品の脂質含量は年々減少傾向にあり, とくにLRH, BCNおよびPRHが顕著であった。各肉製品の脂質含量は, 飽和脂肪酸およびモノ不飽和脂肪酸の含量と有意な正の相関を示したが, コレステロール含量とは有意な相関が存在しなかった。しかしながら, 高脂質含量のBCN, FFSおよびCHSでは, コレステロール含量が高かった。高度不飽和脂肪酸 (PUFA) 量は使用した原料肉に依存し, PRH, CHS, CHPおよびFFSの脂質ではPUFAの占める割合が高かった。TBA値の結果は, CHSが最も高く, LRHが最も低かった。TBA値とα-トコフェロール含量の間に有意な相関は認められなかったが, CHSの場合, TBA値はPUFAg当たりのα-トコフェロール量と負の相関を示した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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