日本栄養・食糧学会誌
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大豆由来のオリゴ糖の消化管内での消長
加藤 康仁池田 なぎさ岩波 健文尾崎 明大村 和隆
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1991 年 44 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

大豆オリゴ糖に含まれる3糖4糖であるRaf, Staの消化性について検討した。
1) in vitroの実験よりRaf, Staは, 唾液アミラーゼ, 胃液, 小腸粘膜酵素でほとんど水解されなかった。
2) 通常ラットでは摂取されたRaf, Staは胃, 小腸を通過し盲腸で腸内細菌によりほぼ完全に分解されることが示唆された。
3) 無菌マウスにSOR水溶液を投与し糞および尿を回収した。Raf, Staを分析したところ7~8日間に排泄された糞中から投与量の約80~90%が回収された。なお尿中には検出されなかった。また消化管内での経時的な移動についても調べたところ同様の結果が得られた。
以上のことよりRaf, Staは, 難消化吸収性の糖で大腸に到達し腸内細菌に利用されることが示唆された。

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