日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
ISSN-L : 0287-3516
完全静脈栄養施行時の段階的エネルギー投与量増加の肝臓に及ぼす影響
池田 明良笹村 泰造菊地 武夫佐藤 誠
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 44 巻 1 号 p. 7-12

詳細
抄録
完全静脈栄養法 (TPN) 施行時におけるエネルギー投与法の生体に及ぼす影響を知る目的で, 飢餓ラットにTPNを施行し, 肝機能を中心に検討した。
段階的にグルコース濃度を上昇させて投与した場合には, TPN期間中を通して血漿グルコース, GOT, GPT値および尿中グルコース排泄量に変化は認められなかった。一方, TPN開始時から高濃度グルコースを投与した場合には, これらの指標は一過性に上昇し, 正常域に復した時点においても肝臓トリグリセライド, コレステロール含量および肝臓重量の増加や肝臓ミクロゾーム酵素含量の低下が認められた。またTPN施行群の肝臓リン脂質およびミクロゾーム酵素含量は自由摂餌群より低い値を示し, 肝臓トリグリセライドは高い値を示した。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top