日本栄養・食糧学会誌
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β-アミラーゼ・プルラナーゼ法により測定した異常炊飯米の糊化度
異常炊飯米に関する研究 (第2報)
山本 愛二郎石橋 幸三野村 晃子
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1991 年 44 巻 2 号 p. 133-136

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抄録

1) 精白米を保温炊飯して得たメッコ飯の糊化度をBAP法により測定し, 普通炊飯米, 老化米飯, 温水処理米および未処理米の糊化度と比較した。
2) 75℃, 8および18時間の保温炊飯で得たメッコ飯の糊化度は80~89%と高い値を示し, 普通炊飯米の値と同程度であった。一方, 50および60℃, 72時間の温水処理米の糊化度は22%前後で, 未処理米の値 (28%) より若干低い値であった。<BR3) 糊化開始温度の低いゆきひかりの糊化度はコシヒカリとは異なり60℃, 72時間の温水処理により50%近くまで増加し, 品種間の違いが認められた。このような相違は両者の膨潤程度の違いからも推察された。
4) BAP法による糊化度の測定結果は前回の報告で若干糊化程度の不一致を示したアミログラフィーとX線回折の結果のうち, X線回折の結果とよく対応することが判明した。
5) 75℃, 4時間の保温炊飯で得たメッコ飯の糊化度に5℃, 96時間保存後の老化米飯と同様50%程度であった。そのX線回折像も75℃, 8および18時間で得たメッコ飯の示すV図形とは異なり結晶構造の残存を示すものであった。
本論文の一部は第44回日本栄養・食糧学会大会において発表した。

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