1991 年 44 巻 5 号 p. 365-372
Bifidobacterium培養物の抗菌作用について, 検討するために, Bifidobacterium属267株の脱脂乳培養物の上澄液の, Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosa, Stophylococcus aureus, Bacteroides fragilis, Clostridium perfringensなどに対する生育抑制作用を検討した。
上澄液のpH調整前 (4.0~4.5) においてほとんどの菌株は, E. coli, P. aeruginosa, B. fragilisに対して抑制作用を示した。pH 5.4に調整すると一部の菌株がB. fragilisに対してのみ抑制作用を示した。
このpH 5.4で抑制作用を示した菌株の上澄液は, カタラーゼ処理によっても効力を失わなかったことから, 有効物質は有機酸もしくは過酸化水素以外の物質であると推測される。