抄録
化工デンプン (ヒドロキシプロピル化・リン酸架橋デンプン, 酸化デンプン) をパンクレアチンで加水分解処理することにより難消化性部分を調製し, ヒトの腸内常在細菌118株による資化性を検討した。化工デンプンの難消化性部分の有用腸内細菌による資化性はフラクトオリゴ糖よりも劣っていた。化工デンプンにおいてはヒドロキシプロピル化・リン酸架橋デンプンが酸化デンプンよりも資化されにくかった。ヒドロキシプロピル化・リン酸架橋デンプンの種類の間に資化性についての特徴的な差は認められなかった。酸化デンプンについても同様であった。
以上のように加工デンプンの難消化性部分が腸内細菌の基質となることが本研究から明らかにされた。