日本栄養・食糧学会誌
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水溶性食物繊維によるラット結腸粘膜の変化
片山 (須川) 洋子近藤 富美子片山 眞之
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1993 年 46 巻 4 号 p. 325-332

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抄録
水溶性食物繊維 (プルラン, ポリデキストロース, ペクチンのおのおののいずれか) を含む飼料で飼育したラット結腸粘膜の生化学的変化を観察し, 5%セルロース食で飼育したラット (対照) と比較した。
プルラン食とペクチン食で飼育したラットについては, 結腸粘膜細胞のタンパク質は減少したのに, DNA量は増加したことから, 細胞はむしろ小さくなったものと思われる。ポリデキストロース食で飼育したラットでは, 結腸粘膜細胞のDNA量が対照群とよく似た値を示し, タンパク質量は増加していることから, 細胞は肥大していると推測された。
走査型電子顕微鏡縁から, 対照群に比べてプルラン食で飼育したラットの結腸膨起が浅いこと, ポリデキストロース食で飼育したラットの結腸膨起はより丸くて大きいことが示された。ペクチン食で飼育したラットの結腸粘膜の表層は不規則であった。
上記の結腸膨起の変化は10%食物繊維群のほうが1%食物繊維群よりも顕著であった。
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