日本栄養・食糧学会誌
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カゼイン組成がカード形成状態ならびに消化性に及ぼす影響
β-カゼインの消化性について
中埜 拓村上 雄二佐藤 則文川上 浩井戸田 正中島 一郎
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1995 年 48 巻 1 号 p. 37-42

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抄録

カゼイン組成がカード形成状態や消化性に及ぼす影響を調べた。ウシα-カゼインに酸を添加すると粗大なカードが形成されたが, ウシβ-カゼインならびに人乳カゼインではカードが微細であった。乳児の消化管内を想定したpH 4.0のペプシン分解およびそれに引き続くパンクレアチン分解を行うと, ウシβ-カゼインがウシα-カゼインに比べ速やかに消化された。ラットによる消化試験では, ウシβ-カゼインがウシ全カゼインに比べ分解されやすく, 胃内滞留時間が短かった。以上のことから, カードはβ-カゼインのように微細であるほど, 消化されやすいこと, また胃から速やかに小腸に移行することが示唆された。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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