日本栄養・食糧学会誌
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摂食障害患者における血清脂質とアポリポタンパク
中井 義勝
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1998 年 51 巻 5 号 p. 267-272

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抄録

摂食障害いずれの病型においても, その1/2に高コレステロール血症が存在した。その成因の少なくとも一部は病型により異なる。すなわち血清総コレステロール値と体重率の間にANやABでは相関があったがBNではなかった。またANでは血清総コレステロール値と血清T3値との間に相関があった。しかし, いずれも弱い相関であった。BNではBITEの大食スコアと血清総コレステロール値との間に有意の相関があった。したがって, 神経性無食欲症と神経性大食症では高コレステロール血症の成因が異なる可能性がある。今後はコレステロール生合成および代謝に関与する因子の遺伝的背景も考慮する必要がある。さらに高コレステロール血症を有する摂食障害患者が動脈硬化を将来きたすか否かは今後の課題である。

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