日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
ISSN-L : 0287-3516
老化促進モデルマウスの生体内ビタミンB1分布の加齢変化
アブデエレム デイリベル森田 明美木村 美恵子糸川 嘉則
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 51 巻 5 号 p. 289-293

詳細
抄録
ビタミンB1栄養状態に及ぼす加齢の影響を, 老化促進モデルマウス (SAM) を用いて検討した。市販固形飼料を与えて育てた雌雄のSAMP1 (促進老化系) およびSAMR1 (正常老化系) の2, 6, 10カ月齢における肝臓, 脳, 腎臓, 心臓および骨格筋中のビタミンB1含有量を測定した。腎臓におけるビタミンB1は, 雌雄ともに各月齢でSAMP1の方がSAMR1より低く, 逆に心臓や筋肉においてはすべての月齢で雌雄ともにSAMP1の方がSAMR1より高い値を示した。雄のSAMP1の心臓では加齢に伴い有意にビタミンB1濃度は低下した。これらの結果は組織中の加齢によるビタミンB1含有量の変化に遺伝的な因子が関与していることを示唆した。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top