1999 年 52 巻 4 号 p. 193-199
Ca, P, MgおよびZn出納に対する飼料中Ca, P, Mg, Na, Zn含量を標準量または標準量の1/3.5量とした場合の影響および交互作用について直交表を用いる実験計画法により検討した。その結果, 吸収率および保留量を最大, 最小にする飼料中各種ミネラル類の組合せは以下のようであった。
1) Ca吸収率: 最大「標準Zn, 低Ca量」最小「標準Ca, 低Zn量」
Ca保留量: 最大「標準Ca・Mg・Zn, 低P量」最小「標準P, 低Ca・Mg・Zn量」
2) P吸収率: 最大「標準P, 低Ca量」最小「標準Ca, 低P量」
P保留量: 検討したミネラル類の影響は認められなかった。
3) Mg吸収率: 最大「標準P, 低Ca量」最小「標準Ca・P量」
Mg保留量: 最大「標準Mg量」最小「低Mg量」
4) Zn吸収率, 保留量: 検討したミネラルの影響は認められなかった。
検討した5種類の飼料中ミネラルのうちCaとPの絶対量および比率がCa, PおよびMgの吸収率, 保留量に大きな影響を与えることが明らかとなった。