日本栄養・食糧学会誌
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ウコギ (Acanthopanax sieboldianus) 葉投与が新生児期のストレプトゾトシン投与による2型糖尿病ラットの耐糖能に及ぼす影響
田渕 三保子田村 朝子山田 則子
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2003 年 56 巻 4 号 p. 243-246

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抄録

ウコギ (Acanthopanax sieboldianum) 葉が新生児期のストレプトゾトシン投与による2型糖尿病ラット (neonatally streptozotocin-induced (type 2) diabetic rats; n-STZラット) の血糖値および耐糖能に及ぼす影響を検討した。n-STZラットは生後2日目の新生児に80mg/kgB.W.のSTZを投与して作成した。8週齢からn-STZラットには標準飼料(DM群), ウコギ混合飼料 (DM-U群), セルロース混合飼料 (DM-C群) を10週間摂取させた。正常ラットには標準飼料を摂取させた (Normal 群)。DM群は, 週齢が進むにしたがって耐糖能が悪化したが, DM-U群では耐糖能が改善された (p<0.05)。実験終了時におけるDM群の血糖値は, Normal 群に比べて増加していたが, DM-U群はDM群より有意に低値であった (p<0.05)。また, 血清中性脂肪もウコギ摂取により有意に低下した(p<0.05)。これらの結果から, ウコギ葉はn-STZラットにおいて血糖値, 耐糖能および血清中性脂肪を改善することが明らかになった。

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