日本栄養・食糧学会誌
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ラットにおける大豆胚芽油由来ステロールと大豆ステロールのコレステロール上昇抑制効果の比較
石崎 太一原 佳子山田 桂子佐藤 斉谷本 浩之森 修馬場 惠実田島 郁一
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2005 年 58 巻 1 号 p. 11-16

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抄録

大豆胚芽油から抽出して得た植物ステロール (大豆胚芽油ステロール) と市販植物ステロール (大豆ステロール) のラットにおけるコレステロール上昇抑制効果について比較した。大豆胚芽油ステロールは, 大豆胚芽油からケン化, 有機溶媒抽出, 冷却アルコール中で再結晶化を行うことによって得られた。若齢のSD雄性ラットに, 0.17-0.50%の大豆胚芽油ステロールまたは大豆ステロールを0.50%のコレステロールとともに添加した高脂肪食を4週間摂取させた後, 血清・肝臓・糞のコレステロールを中心に分析した。その結果, 血清および肝臓の総コレステロールにおいて, 大豆胚芽油ステロール群が大豆ステロール群よりも有意に低値を示した。また, 大豆ステロール群よりも大豆胚芽ステロール群が, 糞中コレステロールの排泄量が多かった。これらの結果より, 大豆胚芽油ステロールは大豆ステロールよりも強いコレステロール上昇抑制効果を有することが認められた。大豆胚芽油のより強いコレステロール上昇抑制効果は, 両ステロール組成の違いにより引き起こされる可能性が示唆された。

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