日本栄養・食糧学会誌
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食事からみた食料自給率
女子大学生の食品摂取実態を中心に
早川 史子中森 正代岡崎 章子小飯塚 直子曽我 千晴増田 佳昭阿部 尚人
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2005 年 58 巻 6 号 p. 323-328

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抄録
わが国の食料自給率は主要先進国の中でも最低水準となっており, 日本の食生活の安全安定供給という点で問題視されている。この論文は女子大学生の食事調査をもとに食料自給率を解析し, 食料自給率を高めるための因子を検討し, 以下のことを明らかにした。1) 女子大学生の食料自給率の平均は43%であった。2) 食料自給率は食事機会によって異なり, 朝食36±27%, 昼食48±24%, 夕食49±22%, 間食32±23%であった。3) 米を主食とする食事では食料自給率の平均が約60%, 米を主食としない食事では約20%であり, 米の有無によって食料自給率は大きく異なった。4) 米以外の食品群の食料自給率への寄与は小さかったが, 日本の伝統的な食品群とされるいも類・野菜類・魚介類等は比較的自給率に対する寄与率が高かった。5) 米を主食とし, 副食として日本の伝統的な食品群を摂取すること, 間食として和菓子や果物を摂取すること, によってわが国の食料自給率を引き上げることが可能である。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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