抄録
働き方改革関連法の施行により、物流業界でも残業時間の上限規制が導入され、その結果、トラックドライバー不足が深刻化している。そこでトラック輸送に鉄道輸送を組み合わせるモーダルシフト輸送が推進されてきたが、さらなる輸送効率化対策として貨客混載の導入が検討されている。これまでも物流効率化と公共交通維持を念頭に過疎地域が関わる事業での導入が有力視されてきた。貨客混載とは、貨物と旅客を同じ列車や車両で輸送することで、その本格的な導入により、貨物トラックの幹線輸送台数などの削減が期待できる。また、旅客輸送の空席や空きスペースを有効に活用することも可能になる。加えて、交通手段の効率化により、排出されるCO2などの排出量削減や交通渋滞の緩和なども期待されている。本研究ではその点を踏まえて、貨客混載における鉄道輸送の手荷役解消とその対策としての機械化の可能性を検証することとする。さらに本研究では関連マテハン機器の特性について緻密な調査研究を行うことで貨客混載輸送の効果を最大化する方向性を示す。