抄録
日本では動物の保護問題の根本的な解決には至っていない.犬や猫を「商品」として扱うビジネスモデルも問題視されている.ペットの入手経路を,ペットショップ経由ではなく,保護動物の保護・譲渡団体経由とすることは,動物の命を救うことにもつながるが,現状ではこうした保護・譲渡団体経由での入手ルートは十分に認知・利用されていない.そこで,本論文のリサーチクエスチョンは,「保護動物の保護・譲渡団体の譲渡をより促進するためにはどうしたらよいか?」とした.検証は,アンケート,インタビュー,フィールドワークにて行なった.調査結果から,保護・譲渡団体の活動を促進するためには,譲渡活動に対する潜在的な関心の高さを刺激し,デジタルチャネルにおける情報の質と双方向性を確保した発信をおこないつつ,専門スタッフによる対面ならではの安心感や納得感のあるマッチングが,譲渡希望者の意思決定に不可欠であることがわかった.