知能と情報
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原著論文
印象と興味に基づくユーザ選好のモデル化手法の提案とニュースサイトへの応用
河合 由起子熊本 忠彦田中 克己
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2006 年 18 巻 2 号 p. 173-183

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抄録

近年, 複数のWebサイトにまたがって存在している同一テーマのWebコンテンツをまとめて提示する情報統合に関する研究はますます盛んになっており, 大量の情報をどのように分類し統合して提示するかが大きな問題となっている. 筆者らは, 複数のニュースサイトから収集した大量の記事をユーザの閲覧履歴に基づいて分類し, そのユーザが使い慣れているニュースサイトのトップページに写像して提示するという新しいタイプのニュースポータルサイトシステム「My Portal Viewer (MPV)」を提案してきた. MPVは, ユーザの閲覧した記事から頻度情報を用いてキーワード (ユーザが興味のある語) を抽出し, その興味語の有無に基づいて収集した記事を分類する. このとき, 新しく生成したカテゴリの名称を興味語そのものとすることにより, それぞれのカテゴリにどのような記事が含まれているか判別しやすくしている. また, 各カテゴリをユーザが普段利用しているニュースサイトのトップページに, 元々のレイアウトを維持しつつ再配置することにより, 読みたい記事がどこにあるか効率的に探し出せるようになっている. しかしながら, その一方で, 興味語の有無という分類基準だけでは, ユーザの好む記事と好まない記事をうまく分離できないことがあった. そこで, 本論文では記事の印象というこれまでにない新たな分類基準を導入し, ユーザの記事に対する選好を印象と興味の両面からモデル化するとともに, 提案モデルをMPVに実装し, ユーザが共感 (感情移入) しやすい記事を優先的に提示するMPV Plusについて検討する.

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© 2006 日本知能情報ファジィ学会
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