抄録
カメラパラメータを推定することなく,全方位画像という歪みや位置による見えの変化のある画像に対する人検出器を提案する.Deep Convolutional Neural Networkをベースに実現し,さらに,少量の学習サンプルに対して並進・スケーリング・回転・輝度変化の変形を適用することで大量の学習サンプルを生成する手法も提案している.実際に設置されている全方位カメラの画像を用いた人検出実験では,HOGとReal AdaBoostの組み合わせによる人検出器が誤検出率0.001で未検出率77.5%であるのに対し,提案手法が誤検出率0.001における未検出率が28.2%となることを確認している.提案する学習サンプル生成法が精度向上に寄与することや可視化した特徴マップの検出精度との関連性も検証している.これによりカメラパラメータの推定が難しい状況でも全方位画像からの人検出の精度向上を実現する.