抄録
Coronavirus Disease 2019の影響により学生全員が自宅からオンラインを用いて履修した老年看護学実習における学びと課題を明らかにした.2020年10月に履修した看護学科3年次生71名を対象とし,「学生のオンライン環境」の選択回答,「実習を通して学んだこと」の自由記述をe-Learningで収集した.有効回答68名のデータを分析した結果,5カテゴリー【対象理解がケアにつながることや高齢者との関わりで実感した楽しさ】,【他者が理解できるような言語化や発信力の重要性】,【事実とアセスメント,考察を混同しない記録の再確認と自己成長のための行動目標の活用】,【対象者の生活を支えるために必要となる多職種連携やケアのあり方】,【オンライン実習での主体性の大切さと学習意欲の高まり】の学びが抽出された.本研究を通し,臨地実習指導者や対象者と双方向につながる機会を設けることにより本来臨地実習で得ることのできる学びも一部得られること,特にオンライン実習では教員や学生間の相互性から生じる学習行動や主体性の重要性の理解など基本的学習行動の学びが得られやすいことが明らかとなった.課題として学生のオンライン環境の整備や実習目標の設定に関して検討していく必要性が示唆された.