知能と情報
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ショートノート
Seq2Seqモデルを用いた文末表現の異なる対話システムの評価
永井 望宮本 友樹片上 大輔
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2020 年 32 巻 1 号 p. 523-527

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抄録

本研究では,互いの言動によって円滑な人間関係を構築するための配慮として知られているポライトネス理論を用い,対話システムが出力する文章の単語を親密的な単語や,敬意を持った単語に変更することで,ユーザに与える印象を変えることを目的としている.具体的には,まずポライトネス理論に基づき,人間同士の雑談対話データから,友達口調やあいづちによって心理的距離を縮めている単語と,敬語によって心理的距離を維持している単語を抽出した.対話データを用い,発話と返答などの対になっているデータの学習に適したsequence to sequenceモデルで相手の発話に対する適切な返答の学習を行った.学習後,2種類の単語をSeq2Seqモデルが優先的に利用するように出力を変更した.学習と出力の変更を行った対話システムについて,印象や適切な返答が行えているか,評価実験を行った.

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© 2020 日本知能情報ファジィ学会
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