知能と情報
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ショートノート
走査音を用いた積極的避難誘導システムにおける走査方向定位特性
三好 哲也
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2020 年 32 巻 5 号 p. 891-896

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抄録

災害時に迅速な誘導は重要な課題である.光源や音源を用いた積極的避難誘導法に関する研究報告がある.本研究は,音源を避難方向に順に走査する避難誘導システムの提案ならびに開発することを目的としている.本論文では,その基礎研究として,走査された音源の走査方向認知に関する特性の分析について報告する.走査された音源の走査方向認知に影響する要因として,音源,走査時間間隔,スピーカ間隔,被験者位置,直進または屈曲する走査パターンを設定した走査方向判定実験を行った.その実験結果から,音源に音声を用いる場合と走査時間間隔を延長した場合に,走査方向の認知率が向上することを示した.また,格子状のスピーカ配置の場合,走査パターンが被験者位置から離れると認識率が低下し,後方から走査されるパターンほど顕著であることを確認した.走査パターンとして直線走査と屈曲走査を比較した結果,本実験条件では明確な差は確認できなかった.

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© 2020 日本知能情報ファジィ学会
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