知能と情報
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原著論文
目的のない散歩のためのパートナーロボットにおける発話量の検討
岨野 太一今井 倫太
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2021 年 33 巻 1 号 p. 582-592

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抄録

本論文では,目的のない散歩において,人と一緒に散歩するパートナーとなるロボットの発話の量について検討する.発話の量の調整は,話者に対する聞き手の印象や,会話自体の印象に対して大きく寄与する要素である.散歩においても,一緒に歩くパートナーとの会話は,散歩自体の印象に寄与すると考えられ,発話量に関する知見を得ることは大変重要である.本論文では,4種類の発話量のロボットに対して,参加者内計画による検証実験を行い,発話量についての多寡の感覚と,発話量による印象の変化について調査を行った.結果,4~5秒の短文の発話において,発話の開始から次の発話の開始までが10秒である場合に発話量が多いと感じ,40秒だと少なく感じるという知見が得られた.また,発話の開始から次の発話の開始までが20秒以下である場合,散歩のパートナーとしての評価や好ましさ,知的かどうかの印象の面で,他条件に対して有意に高評価であった.

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© 2021 日本知能情報ファジィ学会
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