2023 年 35 巻 1 号 p. 547-551
近年,機械学習や画像処理を用いた読唇技術に関する研究が国内外でおこなわれている.これらの研究では,認識手法や認識精度に焦点を当てたものが多いが,実際に読唇を活用してコミュニケーションをとっている聴覚障害者に焦点を当てた研究は少ない.機械による読唇技術において認識精度の高かった話者であっても,聴覚障害者にとって読唇をしづらい話し方である場合もある.そこで本研究では,日常的に読唇を活用してコミュニケーションをとっている聴覚障害者にとって,読唇がしやすい話し方を数値的に解析すべく実験と調査をおこなった.