2023 年 35 巻 1 号 p. 571-575
スペースデブリは人工衛星の運用終了時やロケット打ち上げ時に軌道上に残される人工物であり,宇宙開発の活発化に伴いその数は増加の一途をたどっている.スペースデブリは新たな宇宙船の打ち上げ時に軌道上で衝突する危険性があるため,デブリ投棄・最終処理に関する研究が盛んに行われている.デブリの最終処理は大気圏に再突入させることによって行うが,燃え尽きずに地表に落下する可能性があることから,人的・物的被害をもたらす陸上を避け,海上に落下するような軌道設計が求められている. 能動制御ができないスペースデブリは,予め最適な軌道を予測したうえで再突入のタイミングやその際の増速量を考える必要がある. 本研究ではデブリの大気圏再突入時から地表到達までをシミュレーションし,到達した地表位置と海岸線までの距離を評価したうえで,これを陸上危険度と考えて進化計算により最適化を試みた結果を報告する.