2023 年 35 巻 1 号 p. 581-586
近年,高齢者による交通事故の割合が増加傾向にある.この問題を解決する手段として,運転支援機構の一種である運転支援ロボットが注目されている.本稿では,運転支援ロボットの発話特性がロボットからのアドバイスの受け入れ度合い(支援受容性)におよぼす効果について調査した.その結果,助詞や文末のピッチを下げると知性の印象が高まり,逆にピッチを上げると擬人化の印象が高まることが確認された.また,運転支援ロボットに対して擬人化が生じた被験者において,知性と支援受容性の間に正の相関が見られた.このことから,支援受容性を高めるためには,知性の印象を付与することが必要である可能性が示唆された.