知能と情報
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原著論文
pdi-Baggingの定式化とその評価
入江 穂乃香林 勲
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2023 年 35 巻 1 号 p. 603-614

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抄録

パターン分類問題に対して,複数個の弱判別器を学習しそれらを統合的に組み合わせて全体の識別精度を向上させるアンサンブル法に対する関心が高まっている.本論文では,仮想的に生成したデータを学習データに追加して,複数個の弱判別器を学習しこれらの多数決により識別精度を向上させる新たなバギング(Bagging)を提案する.仮想的に生成したデータをバーチャルデータと呼び,このバギングをpdi-Bagging(Possibilistic Data Interpolation-Bagging)と呼ぶ.ここでは,バーチャルデータの領域を特定化する新たなバーチャルデータ発生法とバーチャルデータのクラスを決定する新たな評価指標を提案する.バーチャルデータの発生領域の特定化では,学習データの分布性と方位性を考慮し,誤判別型,正判別型,混合判別型の5種類の発生法を導入する.また,評価指標の定式化では,正誤判別データとバーチャルデータとの空間的類似指標を基盤とした3種類の評価指標を定式化する.pdi-Baggingでは,バーチャルデータが学習データに追加されるので,バーチャルデータの追加の方法によってはクラス間のデータ量の偏りがなくなり,判別線の同定精度が向上し,評価データに対して高い識別率を得ることができる.ここでは,新たなpdi-Baggingのアルゴリズムを定式化し,数値例を用いて本手法の有用性を議論する.

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© 2023 日本知能情報ファジィ学会
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