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ショートノート
マルチラベル量質混在データを対象とした適応共鳴理論に基づくクラスタリング手法による識別器の改良
西川 毅増山 直輝能島 裕介
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2024 年 36 巻 1 号 p. 543-549

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抄録

マルチラベルデータセットを扱うマルチラベル識別問題に対して様々な手法が提案されている.先行研究である適応共鳴理論(Adaptive Resonance Theory,ART)によるクラスタリング手法を基にし,類似度尺度にCorrentropy-Induced Metric(CIM)を用いたCIM-based ART for Multi-Label Mixed Data(CA-MLMD)は,入力データに応じて識別器として使用するノードを自律適応的に生成し,新規データおよびラベル情報を継続的に学習可能な手法である.また,数値属性とカテゴリカル属性の両方を保持する量質混在データセットにも対応している.しかし,従来手法ではカテゴリカル属性の学習において,ノードの周辺に存在する局所的なデータ点群の影響を強く受けるため,識別性能が低下している可能性がある.本研究では,CA-MLMDを基に各ノードの持つカテゴリカル属性を用いた重みを使用し,データ全体のカテゴリカル属性の特徴も加味することで局所的な影響を緩和しながら学習を行うCA-MLMD-weight(CA-MLMD-w)を提案する.また,実世界データセットを用いた数値実験により提案手法の有効性を示す.

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© 2024 日本知能情報ファジィ学会
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