2025 年 37 巻 1 号 p. 544-548
ドライバ起因の事故を防止するために,日常の運転行動に内在する事故危険性を把握することが重要である.そのためには,ドライバの状態や行動情報をプライバシー侵害の懸念を抑えつつ,簡便・安価に,また安定して日常的に収集する手法が求められる.この課題に対して,著者らは手首装着型センサを用いたドライバ状態推定手法の開発に取り組んでいる.一方で,これまでの検証は実験室環境下に限定されていた.そこで本研究では,実際の運転環境下への適用に向けて,手首装着型センサを利用した車載計測システムを試作し,実車両上での運転行動データの収集実験を実施した.また,収集した手先加速度のデータからドライバの行動内容の推定を行い,実環境下での課題点を検証した.得られた結果より,実環境下におけるデータ収集から分析のためのデータセット構築までの一連のスキームを確立した.