2025 年 37 巻 1 号 p. 549-552
本稿では,情報理論の理解を深めるための教育システムを提案する.学習者は,雑音のある通信路を用いて,送信機から受信機へメッセージを送信するプロセスを体験できる.送信者はまず,メッセージ文字列をハフマン符号化により圧縮し,さらにハミング符号を用いて冗長性を加える.結果はテキストファイルとして保存され,0と1をランダムに反転させることでノイズのある通信路を模倣する.受信者はこのテキストファイルを開き,ハミング復号を用いて誤りを訂正し,ハフマン復号によって元のメッセージを復元する.各ステップの処理結果は色付きテキストや図表として可視化される.処理順の変更や用語の穴埋めといった課題を与えることも可能である.高大連携教育が目指す方向として,情報理論に関する中等教育におけるあいまいな理解を,高等教育で明確化することが期待できる.