2025 年 37 巻 1 号 p. 553-557
本研究では,対話型進化計算手法における新たな進化計算アルゴリズムに,YUKIアルゴリズムを適用する.YUKIアルゴリズムは,現在の最良解候補に対して解候補群の収束と拡散を用いて最良解を探索する.提案手法では,問題の対象がユーザの感性空間のように複雑性や多峰性を有する場合には,解候補群の収束と発散によって様々な解候補を提示できるようになる.本研究では,提案手法の性能を実ユーザの代わりに擬似ユーザが解候補を評価する数値シミュレーションにより検証する.シミュレーション結果より,提案手法は従来の対話型遺伝的アルゴリズムや対話型タブーサーチと比較して,ユーザの感性評価が多峰的である場合において,解候補群はある程度の分散を保ったまま進化し,良好な進化性能を有することが確認された.