知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
ISSN-L : 1347-7986
ショートノート
拡散モデルによる網膜OCT画像生成に関する検討
今井 光貴北島 巧海川中 普晴松井 良諭間瀬 陽子近藤 峰生
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 37 巻 1 号 p. 558-561

詳細
抄録

本研究では,医用画像を用いた症例分類アルゴリズムの構築において,患者のプライバシー保護を考慮した擬似データ生成法について検討する.近年,眼科診療の現場では専門医と同等の高精度な症例診断アルゴリズムが提案されているなど,臨床医学におけるAI技術の発達が目覚ましい.しかしながら,これらのアルゴリズム構築には大量かつ高品質なデータが必要不可欠となる.そこで本論文では,拡散モデルを用いて生成された擬似網膜OCT画像の分類精度への影響について検討した.実験の結果,網膜OCT画像を用いた4症例分類問題において学習データの50%までを生成画像に置き換えた場合でもある程度予測精度が維持された.また,学習データの全てを生成画像とした場合でも比較的高精度での予測が可能であった.これらの結果から,拡散モデルが網膜OCT画像から症例ごとの特徴を捉えた擬似OCT画像を生成できる可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2025 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top