2025 年 37 巻 2 号 p. 607-617
近年の自律移動ロボットには高精度な環境認識が求められており,安全な走行のために小さな障害物や物体の凹凸など目立つ領域や注目箇所を特定し精度よく推定を行う必要がある.そのための手法としてサリエンシーの研究が盛んに行われている.サリエンシーの研究はKoch & Ullmanの原理モデルに始まり,カメラ画像やRGB画像と深度情報を組み合わせたRGB-Dなどを入力とした手法が数多く提案されている.しかし,これらの手法では画像を入力としており空間的な特徴を取得しづらい点から,自律移動ロボットへサリエンシーを適用するためには3次元点群を入力とする手法が必要となる.そこで本研究では,Growing Neural Gas(GNG)を用いることで3次元点群を入力とした位相構造を構築し,位相構造と中心周辺抑制機構を活用することでサリエンシーマップを構築する手法を提案する.本手法を用いることで,従来の研究に比べて,より詳細な注視領域の特定が可能となる.本論文では,ベンチマークデータおよび実環境における3次元点群を用いた実験を通じて,提案手法の有用性を検証する.