2018 年 31 巻 1 号 p. 3-11
インプラント治療におけるエックス線診断はかつて「パノラマ診断」であった.しかし今や,「CT診断」の時代である.しかしCT診断といえども昔のような「大判フィルム」に焼かれた画像診断ではなく,パソコンを使った「コンピュータ診断」が主流である.パソコン上でインプラントの診断を行う場合,2つのタイプのソフトが利用されている.1つはCT画像内で距離を計測してインプラント埋入長さを想像する「ビューイングソフト」.もう1つは距離計測をすることなく,コンピュータ画面上にインプラントの形状を模倣した立体データを配置して診断する「インプラント・シミュレーションソフト」である.
本報では直感的でわかりやすい「インプラント・シミュレーションソフト」の診断フローを,メーカーやソフトに依存しない3つのステップで言及する.ただし,CT撮影用テンプレートを作る判断基準や,診断ステップはすべて筆者の私見である.