日本口腔インプラント学会誌
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特集 審美領域のインプラント治療の長期予後
審美領域におけるデジタルテクノロジーの適応
千葉 豊和
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2019 年 32 巻 4 号 p. 295-303

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抄録

前歯部審美領域インプラント治療で良好な結果を得るためには,術前の顔貌,スマイルラインの位置の検査,欠損歯槽堤もしくは抜歯想定部位の硬,軟組織の診察・診断から始まり,患者のバイオタイプ,抜歯のタイミング,埋入角度,深度を含めた三次元的に適切なインプラントポジションへの埋入計画,それに伴うインプラント周囲硬,軟組織の再構築を含めたボリュームが十分に確保された環境作りができているかなどの外科的考慮が重要な要素となる.加えて現在,インプラント埋入計画から実際の埋入までのプロトコールにおいてさまざまなデジタル機器の目覚ましい進歩がみられ,三次元的な診察・検査から治療計画の立案,それに伴う埋入ポジションの決定,更には診断で確定したインプラントポジションを術中に具現化させるガイドの製作,埋入を行うまでのいわゆるガイデッドサージェリーがデジタルテクノロジーによってより正確性を増し臨床応用されている.特に口腔内スキャナーの発展により,口腔内スキャンデータとCBCTデータのデジタルデータを活用して外科術式をデジタルガイデッドサージェリーで行う手法は日々進歩しており,今日のインプラント治療における有効な手段となっている.

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© 2019 公益社団法人日本口腔インプラント学会
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