2020 年 33 巻 4 号 p. 330-341
近年のデジタル機器の発展により,患者説明ではスマイルデザイン(2D,3D)により患者への動機付けを図り,治療の承諾を得ることが可能となった.その後,診査・診断ではCBCTとMRIによる中心位を基本とした顎関節診査,側貌セファロによる骨格診査(咬合平面,咬合高径)など顎骨格系の三次元的診断を行い,補綴・矯正・顎矯正の必要性を検討する.診査と相まってCBCT,口腔内スキャナー,ガイドシステム,顔貌3Dカメラなど歯科関連デジタル機器により,臨床家の念願であった顔貌主導(顔貌との調和を考慮した)インプラント修復治療の計画を立案する.この修復治療は従来の“骨主導”→“修復主導”→“顔貌主導”へとより高度なTop Down Treatmentへと変遷しており,予後良好かつ患者満足度の高い治療法であると考えられる.