日本口腔インプラント学会誌
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特集 サイナスリフトの現状と将来展望
サイナスリフトをより安全で確実に行うための難易度分類
菅井 敏郎
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2021 年 34 巻 4 号 p. 276-285

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抄録

サイナスリフト部位のインプラント残存率は既存骨に埋入したインプラント残存率と同等であることが知られており,サイナスリフトは上顎臼歯部の骨増生を目的とした効果的な治療法として確立されている.一方,インプラント手術関連の医療トラブルのなかで,サイナスリフトに起因した上顎洞関連のトラブルが少なくない.その原因の一つとして,術者が手術の難易度を把握せず,かつ十分な診断能力と手技を習得しないまま安易に手術を行うことが考えられる.

サイナスリフト手術の予知性を高めるためには,術前検査,診断,治療計画を十分に行い,難易度を把握してその難易度に応じた手術手技が必要である.本稿では,CT画像分析によるサイナスリフト手術の難易度分類,ST分類(Sugai Toshiroの分類)を紹介するとともに,難易度分類を基にしてサイナスリフトの安全性と確実性を向上させるための手術手技に関して解説する.

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© 2021 公益社団法人日本口腔インプラント学会
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