2023 年 36 巻 2 号 p. 113-120
インプラント治療が咀嚼機能の回復・維持に大きな効果を発揮することは示唆されているものの,口腔機能低下症の診断に用いられる各評価項目に対するインプラント治療の効果やQuality of Life(QOL)との関係について調査した報告はみられない.本稿では,口腔機能低下症に該当する5名の患者についてインプラント治療を行い,治療前後の口腔機能検査結果およびOral Health Impact Profile(OHIP)による口腔関連QOLの変化について報告する.
第一および第二大臼歯欠損を含む欠損歯列を有する口腔機能低下症に該当する5名の患者についてインプラント治療を行い,治療前および術後6か月以内において,口腔機能検査およびOHIP-JP16スコアを取得し,それぞれ比較した.
すべての症例で口腔機能の改善および口腔関連QOLの改善が認められた.